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BORNY: Sea New Yorkはどのようにしてスタートしたのですか?お2人で一緒にブランドをやっていこうとなったきっかけを教えて下さい。
Sean: 僕が今から7年半前にブランドを立ち上げ、4年前にモニカが加わったんだ。彼女が加わったことにより、Sea New Yorkというブランドの美的感覚が磨かれ、さらにプロフェッショナルになったよ。モニカは僕よりもずっとしっかりしているからね(笑)その当時、僕はファッションについてまだまだ勉強中で、モニカはベッツィジョンソンの元でデザイナーとして働いていたので、2人で少しずつブランドを形にしていったんだ。
僕らは幼馴染で、子どもの頃からずっと一緒に過ごしてきたし、同じセンスを共有してきたので、2人でブランドをやることはごく自然な流れだった。彼女と一緒に仕事が出来て幸せだよ。
Monica: 私たちはお互いを本当に良く理解していたので、強い面、弱い面のバランスが取れていたの。ファッションにおいては、私はヴィンテージが大好きで、ショーンはモダンでマスキュリンなテイストが好き。キュートでトム・ボーイなSea New Yorkのイメージに見事にマッチしたの。
B. 仕事場も住んでいる場所も共有されているので、一日中ほとんど一緒にいることになりますよね。
S: ずっと一緒だよ。言い合いなんてしょっちゅう(笑)だけど、なんでも言い合うことで、良いコレクションが生まれてくるよ。
M: 喧嘩しても、数分後には一緒に笑っているわ。 -
B: デザインをする上でインスピレーションを受けているものはなんですか?
S: 毎シーズン、僕らにとってはお客さんの意見が一番大切。アメリカだけでなく、日本、ヨーロッパ、世界中に僕らのブランドを愛してくれているお客さんがいることが、最大のインスピレーション。お客さんがどんなものを求めているかを聞き入れて、彼らにハッピーになってもらう服をプロデュースしていきたいと常に思っているよ。
M: いつもファブリックからインスパイアされ、そのファブリックを使ってどうしたらお客さんが喜んでくれるかを考えています。
B: トレンドを意識することはありますか?
S: もちろんトレンドは把握しているし新たなエナジーを感じ取るけれど 、トレンドが僕らの美的感覚を変えることはないよ。僕らの服を着ることで、お客さんには今っぽさを感じて欲しいけれど、快適であって欲しいし、無理をしているとは思って欲しくない。
M: その人らしさを変えてしまう服は作りたくないし、私たちの服を着て、一日をハッピーに楽しく過ごして欲しいと思っています。
B: お2人がイメージするSea New Yorkガールとは?どんな女性をイメージしてデザインしていますか?
S: 前向きで、目標を持って毎日を生きていて、プレイフルで、自分を大切にしている女の子。
M: リラックスして心にゆとりのあるトムボーイな女の子。
B. キャリアの中でターニングポイントになった出来事とは?
S: バーニーズが数年前から一目を置いてくれて、ブランドの成長をずっとサポートし続けてくれているのはとても嬉しい。また、世界中のセレクトショップが僕らのためにスペースを提供してくれているのは本当にありがたいことだよ。
あと、パリの百貨店、ボンマルシェとコラボしてローンチしたキッズコレクションはとても楽しかった!新たなお客さん層に出会えたよ。
M: キッズラインはとっても可愛いし、新鮮だったし、エキサイティングだったわ。友人の5歳の子どもに、私たちのコレクションの中から何を子どもサイズにして欲しいか聞いたら、レザーパンツをセレクトしたのよ!5歳の女の子がレザーパンツを選ぶなんて!ってみんなびっくりしたの(笑)。
あと、昨年CFDA(アメリカファッション協議会)のメンバーに選ばれたことはとても名誉に感じています。
B: 次のステップについて教えて下さい。
S: バッグやシューズなど、服以外のカテゴリーを広げていきたい。キッズラインも続けていきたいしね。
B. ショールームとご自宅が一緒になったこの大きなロフトについて聞かせてください。また、インテリアはどこで購入されたものですか?
S: ブランドの拡大に合わせて以前住んでいたSoHoから今のこのロフトに移ったんだけど、最初はサイドに窓も何もない古くて汚い真っ暗なスペースだったんだ。でも、最初見た時から、天井が高いし、改装すれば絶対に良いスペースになる、ってすぐに分かった。それから不要な壁を取り払って、窓を作って、ペイントしたよ。数週間かかったね。
M: 家具は、マサチューセッツ州のブリムフィールドで年に数回開催されている有名なアンティークフリーマーケットで購入したもの。あとは、ジョン・デリアン(New Yorkにあるインテリアショップ)や、New Yorkのストリートに捨てられていた家具を拾ってきました。 -
このロフトに世界中のバイヤーたちが訪れることで、私たちのブランドをさらに理解してもらえると強く感じています。
S: 以前は外部のショールームにプレスとセールス業務を委託していましたが、このロフトで自分たちですべてを行うようになってから、バイヤーとの繋がり、そして結果的にお客さんとの繋がりが確実に強くなった。5階のウォークアップ(エレベーター無し)は大変だけれど、僕らを訪れる人たちにはそれもすべて含めてSea New Yorkを体感してもらってるんだ。
B: 至るところに飾ってあるお花も素敵ですね。
M: 2人とも花が大好きなので、花は欠かさないようにしています。ミッドタウンにある花屋問屋街で購入することが多いです。
S: モニカは数年後にはフローリストになってるんじゃないかな(笑)
B: 尊敬する人は誰ですか?
S: 警察官の弟は、僕とはまったく異なる毎日を送っていて、ファッションの世界にはないリアルな世界を生きているんだけど、 地に足をつけて誇りを持って仕事に励んで、毎日に感謝して謙虚に生きているんだ。あたりまえのことに聞こえるかもしれないけれど、それって素晴らしいことだと思うよ。
M: 私たちの出身地、ニューバーグ(New York州郊外の町)は工場地として知られているのですが、イタリアからアメリカに移住して工場でずっと勤勉に働いてきた祖父母からはたくさんのことを学びましたね。努力は必ず結果を生む、ということがわかりました。 -
B: オフの日は何をして楽しみますか?
S: トライベッカの酒バー、Shigureに行って飲むこと。ほぼ毎日通っているね(笑)
M: Shigureはショーンのリビングルーム的存在ね(笑) 食事も美味しいのでオススメ。私はこのロフトに友だちを呼んで料理を作ってホームパーティを開くのが好き。
B: New Yorkでお気に入りの場所はどこですか?
S: ブルックリンのレッドフック地区にあるレストラン、Grindhausが最近一番のお気に入り。Grindhausで食事をして、目の前にあるバー、Brooklyn Ice Houseでジェンガをするのが定番コースだよ。
M: レッドフック地区はビーチタウンのような雰囲気があって私も好き。キュートなレストランやバーもあってホリデー気分が味わえるの。
B: 日本のファッションについてどう思いますか?
S: こだわりを持ってスタイリングをしていると思う。アメリカのお客さんとは異なるスタイリングは見ていてとても楽しいし、インスピレーションになるよ。
M: 日本の女の子たちのファッションに対する努力は素晴らしいと思うし、とってもキュートね。